Fireworks festival
今朝着の飛行機でインドから帰ってきました。
やれやれ、南インドより日本の方が暑いし不快指数も高いではありませんか。
ところで、飛行機の中で皆さんは何をしますか?
映画を見る人が多いでしょうね。
僕は実は、あんまり映像関係は見ないんです。音楽を聴いたり、本を読んだりする方が好きなんです。
なので、飛行機に乗ると機内誌は一応チェックします。
機内誌は、通常1ヶ月おきに更新されますね。
8月のJALの機内誌SKYWARDですが、英語の記事で
Seen from the foreign students in Japan
「日本にいる外国の学生から見た光景」
なるものが、国学院大学×The Japan Newsから出ておりました。
「何故 国学院大学がJALの機内誌に英語で掲載するのか?」
を考えていると多分相当深い命題になるのでしょうが、ここでは深くは追求せずあっさりと内容をチェックしたいと思います。
Japanese social phenomena from a global perspective
- phenomena:phenomenon(現象・事象) の複数形
perspective:見方、考え方
グローバルな視点からの日本の社会現象
と副題された記事は、
イタリアの学生さんからの質問が英語で書かれ、国学院大学の教授が英語で答えています。
さてその質問は、
Why are so many fireworks festivals held in Japan every summer?
です、、、
イタリアは違うもんね・・・??と補足に以下のコメントがあります。
In Italy, we enjoy fireworks displays only once a year as a New Year’s Eve event.
Why are so many fireworks festivals held in Japan every summer?
日本は夏になんであんなに花火大会があるの?イタリアは年に一度大みそかだけよ。
言外に「馬鹿じゃないの?」との響きを感じるのは僕だけでしょうか?・・・
「そんなの知らね~よ!花火大会が多くて何が悪いんだよ~」と言いたいところですが、さすが大学教授は以下の様に冷静かつ歴史的背景をもって説明しております。
Japanese originally set off fireworks to honor the dead
- honor the dead:死者をたたえる
元々花火は死者を弔う為に始まったんですか・・・
Fire works displays in Japan date back to the Edo period (1603-1867). To be precise, the first event of this kind is said to have taken place in 1733, or the 18th year of the Kyoho era, on the Sumida River in Edo, now Tokyo, as a “suijinsai” or “water god festival.”
1733年が花火大会の始まりと憶えておきましょうか。
隅田川での水神祭が花火大会の始まりなんですね。
At that time, a large number of people in both the Kansai region and Edo died of famine or plagues. The suijinsai event was held to comfort the spirits of the deceased and pray that those remaining would avoid getting the plague, with the country’s first launch of fireworks on record.
- famine:飢饉
plague:疫病
comfort:慰める
the deceased:死者
なんとあの華やかな花火大会は、飢饉や疫病で亡くなった方たちへの慰霊と悪病退散の祈念から始まったんですね。僕は全く知りませんでした。
Then, a number of pyrotechnic craftsmen appeared and competed to the extent that their fireworks displays were so brilliant and magnificent that the viewing audience began shouting out the shop names of their favorite fireworks artist, such as “Tamaya” and “Kagiya,” among others. As a result, fireworks displays became an annual event in Edo and other parts of Japan as “kawabiraki” (river opening) festivals.
- pyrotechnic:花火の
craftsman:職人
compete:競争する、張り合う
extent:広さ
annual:例年の
花火職人が腕を競って、次第に夏の風物詩になっていったという訳ですね。
“玉屋”と“鍵屋”と叫ぶのも粋ですよね。これは、江戸時代の二大花火師の屋号だったようです。
In addition, fireworks festivals quickly become a popular seasonal event in Japanese society due to Japan’s hot and humid summer climate as they became people’s favorite summer pastime to cool off while among admiring the fantasy of lights.
- pastime:娯楽
僕も夏の夜の花火の華やかな光にうっとりしますね。
夏の夜の花火にadmiringって表現はぴったりですね。
Today, a huge number of people in Japan look forward to fireworks festivals every summer as a key seasonal tradition across the country.
Prof. Takanori Shintani
さすが、大学教授の解説ですね。
「日本は夏になんであんなに花火大会があるの?」
という素朴な質問に対して花火大会の起源から説明してますよね。
僕にとっても、知らないことが沢山英語で書かれていました。
でも、これってちょっとまずいですね。
日本に来る飛行機の中でこの記事を読んだ外国の人から、
「日本の花火大会はいつから始まったか知ってる?」
とか
「日本の花火大会が始まった時の時代背景を詳しく教えて」
なんて言われるとヤバイですよ。
答えられなくてアーウー言ってると、
「このオッサン日本人なのに日本の事を何も知らないんだな」
なんて思われますね。
ヤバイです。
どうか国学院大学の関係者の皆さん、せめてこの記事は日本語で掲載してください。
その方が、日本の学生さんも集まると思いますよ。
いずれにしても、グローバル志向の素晴らしい学生さんが集まってくることをこの無知なオジサンもお祈りいたしております。
それでは、また次回!
See you next time!