反訳トレーニングとキング牧師のスピーチ

反訳トレーニングとキング牧師のスピーチ

僕の英語学習というと、相変わらずNHKのラジオ講座なんですが、

ここ2年程

高校生からはじめる「現代英語」

を聴いています。

この講座の中で、“ 反訳トレーニング ”と言うコーナーがあるんですが、これはとても効果的だと思うので紹介しておきますね。

講師の伊藤 サム先生によると

英語学習には練習が必要です。

英語のテキストを勉強する時は、英文の意味を理解するだけで終わりにせず、ぜひ日本語訳文を見て、元の英文が言える、いわば反対方向に訳すことが出来るまでトレーニングしてください。

と講座の中でアドバイスしておられます。

確かに、「英文を理解して、音読して終わり」よりも、「日本語の訳文を見て元の英文を言えるまでトレーニング」する方が効果がありますね。

これは、実感として断言できます。

特にある程度英語ができる人にとっては、英文の内容はそこそこ理解できるから、日本語訳文をきちんとチェックする人は少ないのではないでしょうか?

でも

・日本語の内容をしっかりチェックして(頭に入れて)

・英文に置き換える

過程は、特に中年になってから英語学習を行う人には効果的だと思いますよ。

ほらよく、英語の推理小説の冒頭に、登場人物の説明が書かれていたりしますね。


例えば、ダ・ヴィンチ・コードの冒頭には、

《主な登場人物》

ロバート・ラングドン・・・・・・ハーヴァード大学教授 宗教象徴学専門

ソフィー・ヌヴ―・・・・・・フランス司法警察暗号解読官

ジャック・ソニエール・・・・・・ルーブル美術館館長

・・・

などと書かれております。

もし日本語の名前や地名であれば、あえて書き出す必要はないかも知れませんよ。

つまり僕が言いたいのは、

僕ら日本人の頭の中には、日本語の方が理解しやすいのである・・・

当たり前だろ~バーロー!!!

と言う声が聞こえてきましたねぇ

でもそうであれば、

英文だけを読んで理解したつもりでも・・・それだけじゃ弱いから、反訳トレーニングは有効に違いないと思うんです、、、

ところで考えてみると、この反訳トレーニングは、何でも教材にできる訳です。

僕としては、あの大好きなキング牧師の演説を素材にしてみたいんです。

まずは、冒頭の部分

(英文及び日本語訳は、アメリカンセンターJAPANのサイトを参照しました)

今日私は、米国史の中で、自由を求める最も偉大なデモとして歴史に残ることになるこの集会に、皆さんと共に参加できることを嬉しく思う。

I am happy to join with you today in what will go down in history as the greatest demonstration for freedom in the history of our nation.

  • join in:~に加わる、参加する
  • go down in history:歴史に残る

これは、英語のスピーチを頼まれた時にも応用して使えますな。

中盤の

ミシシッピ州へ帰っていこう、アラバマ州へ帰っていこう、サウスカロライナ州へ帰っていこう、ジョージア州へ帰っていこう、ルイジアナ州へ帰っていこう、そして北部の都市のスラム街やゲットーへ帰っていこう。きっとこの状況は変えることができるし、変わるだろうということを信じて。

絶望の谷間でもがくことをやめよう。友よ、今日私は皆さんに言っておきたい。われわれは今日も明日も困難に直面するが、それでも私には夢がある。それは、アメリカの夢に深く根ざした夢である。

Go back to Mississippi, go back to Alabama, go back to South Carolina, go back to Georgia, go back to Louisiana, go back to the slums and ghettos of our northern cities, knowing that somehow this situation can and will be changed.

Let us not wallow in the valley of despair, I say to you today, my friends – so even though we face the difficulties of today and tomorrow, I still have a dream. It is a dream deeply rooted in the American dream.

「きっとこの状況は変えることができるし、変わるだろうということを信じて」

knowing that somehow this situation can and will be changed

は、言い回しを覚えておく価値ありだと思いますよ。

友よ、今日私は皆さんに言っておきたい。われわれは今日も明日も困難に直面するが、それでも私には夢がある。

I say to you today, my friends – so even though we face the difficulties of today and tomorrow, I still have a dream.

これが有名なI have a dreamの最初の一節ですね。

その後色々なdreamをキング牧師は語っていますが、僕が好きなのは

私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。

I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character.

  • content:内容物、中身

と言う一節。

素晴らしいフレーズですね。

さて、感動的なスピーチの終わりの部分。

自由の鐘を鳴り響かせよう。これが実現する時、そして自由の鐘を鳴り響かせる時、すべての村やすべての集落、あらゆる州とあらゆる町から自由の鐘を 鳴り響かせる時、われわれは神の子すべてが、黒人も白人も、ユダヤ教徒もユダヤ教徒以外も、プロテスタントもカトリック教徒も、共に手をとり合って、なつ かしい黒人霊歌を歌うことのできる日の到来を早めることができるだろう。「ついに自由になった!ついに自由になった!全能の神に感謝する。われわれはつい に自由になったのだ!」

And when this happens, when we allow freedom ring, when we let it ring from every village and every hamlet, from every state and every city, we will be able to speed up that day when all of God’s children, black men and white men, Jews and Gentiles, Protestants and Catholics, will be able to join hands and sing in the words of the old Negro spiritual:

“Free at last! Free at last!

Thank God Almighty, we are free at last!”

  • hamlet:集落
  • spiritual:黒人霊歌
  • God Almighty:全能なる神

いや~感動的です。

僕たちも、反訳トレーニングで英会話をマスターして、

Thank God Almighty, we are able to speak English at last!

な~んてつぶやきたいもんです。

それではまた次回!

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