東海道五十三次と英語の解説

東海道五十三次

英語学習が習慣化してくると、なあ何というかオタク的な人も出てきますね。
いたるところでシャドーイングをする、、、電車の隣でぶつぶつ英語を話しておられる方。
「(英字新聞を取っているので)うちの新聞には安売りの広告が入っていない」なんてボヤイテいる女性。
知らない単語に出くわすと辞書を引かずにいられない、スマホが出る前は家のそこらじゅうに辞書を置いていた貴方。
まあそういった方たちはすでに英語ジャンキーなんでしょうから、、、何も今更申し上げる事はございません。

ウインドサーフィンだって明日は風が強そうだなんて思ったら、深酒はせずに早寝するんです。
何事ものめり込まなきゃいけません。

さて、そんな英語オタク風に街をさまよっていると、色々な所に英語表現があるのに気が付きますね。
電車に乗れば、優先席は少し前までは priority seat だったのが、最近では courtesy seat なんて表示もされてたり。

ところで、僕は営業ですから色々な客先を訪問するのですが、先日平塚に行きました。
JRの平塚駅には、広重の「東海道五十三次 平塚 縄手道」の絵が、券売機の横に飾ってあるんですね。
そして、ちゃんと英語の解説があるんです。
ちょっとチェックしてみましょうね。

先ず題名ですが、

Hiratsuka, Nawatemichi Winding Road
From the Series The Fifty-Three Stations of the Tokaido

Artist : Hiroshige Utagawa
Year created : Around 1833

日本語だと

東海道五拾三次之内 平塚 縄手道

何故かWinding Road が追加されています。
Winding road と聞くとビートルズのThe Long and Winding Road を思い浮かべるのは僕だけでしょうか?

さて解説文ですが、今度は日本語から見てみましょう。

江戸時代には高麗寺山と呼ばれた高麗山の穏やかな山容、厳つくそびえる大山、そして白妙の富士。人々の信仰する山々は、東海道を往来する彼らを見守っているようである。全速力で走る飛脚と客を平塚宿まで運び大磯宿に帰る戻り駕籠の人足がすれ違おうとしている。田畑に囲まれた縄手道の先にかかる花水橋にも、旅人の往来が見える。どっしりと構えた山々を背景に、緩急のある人の動きが印象的である。

だいたいねぇ~、僕には「厳つく」が読めんのだよ、、、
調べてみると、「厳つく」は「いかつく」でした。
なだらかな手前の山、高麗山の右後ろのゴツゴツした感じの大山を「いかつい山」と評しています。
いけませんね。英語の前に日本語ですな。

さてその英語は、

The tranquil Mt. Komayama, formally known as Mt. Korai-ji, the ragged and towering Mt. Oyama, and the white, snow-capped Mt. Fuji are depicted in the background as if they are watching over their worshippers travelling along the Tokaido Road. A Hikyaku courier running at full speed is about to cross paths with a palanquin bearer returning to Oiso-juku after sending a passenger to Hiraruka-juku. Travelers can also be spotted on the Hanamizu Bridge, drawn further down the footpath between the rice fields. The depiction of people moving at varying speeds against the grand mountain backdrop leaves a lasting impression.

  • tranquil:静かな、穏やかな、平穏な
    formally:正式に、公式に
    ragged:ざらざらの, ぎざぎざの、でこぼこした
    towering:高くそびえる
    snow-capped:雪をいただいた
    depict:描く
    worshipper:礼拝者, 参拝者
    courier:添乗員、急使、特使、クーリエ
    about to:しそうである
    palanquin:駕籠
    bearer:運ぶ人、運搬人
    depiction:描写
    varying:変化する
    grand:雄大な、壮大な
    backdrop:背景
    lasting impression:心に残る印象・感銘

英文に文句を言うつもりはありませんが、日本文の「江戸時代には高麗寺山と呼ばれた」とありますから、「formally known as Mt. Korai-ji」の formally は formerly/以前は、昔は/ の方が内容には合っているかもしれません。

ところで、副題にある「縄手道」ですけど、田んぼの畦道の事みたいです。
畦道を突っ走る飛脚を表現するのに、「Hikyaku courier」なんて言葉が出てきてますが、商標で使えそうな感じですよね。
もう使っている会社があるのでしょうか?

東海道も、平塚より東京寄りの街では、まったく昔の面影はありませんが、平塚辺りから少しは昔を感じ取れるかもしれませんね。
英語オタクとして、「英語」「日本語」「今」「昔」の旅に出てみましょうか?

それでは又!




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