プレゼンを英語で(2)

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プレゼンを英語で

いやはや何とも冷や汗ものでした。
僕が勤めている会社のパートナー(ドイツの会社です)が主催するカンファレンスの案内に、プレゼンターとして僕の名前が載っているのを発見し「これって僕がプレゼンする訳?」と日本人的な気の回し方で正式にプレゼン依頼を受けたわけでもないけれど、急遽プレゼンを作り、僕と同僚はドイツに旅立ったのでした。

今回のプレゼンは、聴衆は2~300人。
ドイツ・イタリアの地元の連中と北欧・イギリス・フランス・アメリカ・ブラジル・インド・中国・韓国 そして我々日本という まあ色々な国の人が聴衆でした。
カンファレンスは2日間、僕の出番は初日・主催者のWelcome Addressの次のセッションでした。

プレゼンの字は少なく

プレゼンを作る時に、日本語でプレゼンする時の様に言葉を記載しても印象に残らないとの同僚のアドバイスで、プレゼンのスライドはグラフィックと動画でまとめました。

構成は2つのパート

構成は2つに分けました。前半を僕がやり後半は英語が堪能な同僚にまとめてもらうことにしました。

Q&Aセッションの準備

問題は、質問ですよね。
「何質問してるか分からない、、、」という危険性と
「質問されていることは分かるけど、答えられない、、、」
等々考えるとQ&Aセッションの質疑応答が問題ですよね。
でもまあ前半・後半を通しでやってしまえば、質問はその後だから僕は答えなくてもいいかな?とすでに責務を同僚に託したのであります。

英語堪能な同僚は、
「こういう質問があるとどう答えるべきか?」
等プレゼンの王道の悩み方をしておりました。

カーネギーの話し方入門

それより僕の英語の方が問題だ!と思った僕は、飛行機の中でカーネギー話し方入門 文庫版 をいつになく真剣に読んだのであります。
カーネギーの話し方入門には、

1、良い話し手になろうという一途な執念を持つことから始める
2、話そうとする内容を知りつくす
3、あえて自信ありげに振舞う
4、一にも練習、二にも練習

と書かれています。
まあ確かに、一に練習二に練習ですね。

さて現地入りした僕は、高い天井に大きなシャンデリアがいかにも欧州らしい(上の写真です)カンファレンス会場の雰囲気に圧倒され、、、
「何で僕がプレゼンターの名前に書かれている」のかも聞かないうちにカンファレンスは始まったのでした。

三谷幸喜の英語ジョーク

本番前に一番悩んだのは実はジョークでした。
「欧米のスピーチにはジョークが肝心」
と脳みそにすり込まれている僕は、かつて読んだ三谷幸喜さんのエッセイの中で、

「僕の英語わかりますか?」
・・・
「実は、僕にはわからないんです」

というジョークが外国ではとっても受けた・・・ という部分が記憶に残っていました。

自分にも言えるか?もしくは外したらどうするか・・・等と考えているうちに名前を呼ばれて壇上に。
先ずはお決まりの自己紹介と、プレゼンテーションさせてもらえることへのお礼を述べた後、こんな風に切り出しました。

皆さんご存知かもしれませんが、大多数の日本人にとって英語を話すことはとても大変なんです。特にこんな形で大勢の前で話すのは尚更なんです。
実は、僕にとってこんなプレゼンを英語でするのは今日が初めてなんです。
僕の英語わかりますか?

As you may know, for most Japanese, speaking English is very touch and challenging especially in public speaking like this.
Today it’s the very first time for me to give a presentation in English.
Do you understand my English?

と話したところで みんな大喜びで会場が湧きました。
三谷幸喜さんありがとうございました。

しかしさすがにその後「実は、僕にはわからないんです」とまでは言えませんでした。
もう少し経験が必要ですね。

字がないプレゼンはかなり高度

さて本題のプレゼンですが、字がないプレゼンはかなり実は高度なんだと気が付いたのはジョークの後です。
壇上で緊張している頭で、プレゼンの構成を間違えずに英語で進めるのはかなり大変。
なので、きちんと頭に英語が入ってない場合には、スライドにキーワードを記載しておく方が危なくないですね。

まあ危なっかしいプレゼンでしたが、
2日間で会場を沸かしたのは僕だけだったせいなのか、、、
初めてのプレゼンを公言したせいなのか、、、
皆さんからは、「お前のプレゼン良かったよ」「Good job!」等々
と言っていただけました。

今回痛感したのは、やはり

一にも練習、二にも練習

ですね。

ところで誰が僕をプレゼンターに決めたんだろう?
結局最後まで、誰が僕をプレゼンターに決めたのかも分からず、正式にプレゼンの依頼を受けることもありませんでした。

「俺は聞いてない!」

と帰りの飛行機の中でビールを飲みながら一人つぶやいたのであります。

 







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