そばは音をたてて食べる
すでに何回か和食について取り上げたけど、今回は蕎麦についての話題。
先日のイタリアのお客さんとの食事では、コースの終盤にお蕎麦が出ました。
何回か日本に来ている人たちなので、それほど食べるのに苦労はしてなかったけれど、
どうも食べ方が違うのだ。
彼らは、食事をする際に音をたてないから、どうも日本人からすると変なのだ。
やっぱりそれじゃ旨そうな感じがしないのですね。
そしてまた、そういう外国の人の前だと、やっぱりあんまり大きい音をたててズズーと蕎麦は食べにくい訳です。
そんなお客さんと蕎麦を食べる時に、
以前 僕の仲間が
「お蕎麦を食べる時は、音をたてるのは許されるんだ」
的な発言をしていたのだが、
それじゃ弱いだろうという事で、今回僕は
「お蕎麦を食べる時は、音をたてなくちゃいけない」
と言い放ったのです。
すると、相手はさすがに驚いて
「イタリアでは、食べる時に音をたてるのは絶対いけないと子供の頃から言われるんだ」
「随分文化が違うもんだ」
と関心しておりました。
それじゃ、蕎麦の食べ方の歴史的背景は?
旨い江戸そば―名人のそば打ち指南 (日曜日の遊び方)
鵜飼良平 著 雄鶏社 には
通人は粋と垢抜けを心意気とし、遊興と世情に通じ、野暮を嫌ったのです。
そのきっぷは江戸っ子、とくに職人衆に広がり、彼らは
「そばは噛むもんじゃねえ、呑むもんだ」
といっては、そばの端を少しだけつゆにつけ、たぐりこむようにすすりました。
こうして、そばに粋という美意識を盛り込んだのです。
と書いてある。
英語で説明するのは難しそうだけど
・粋 fashionable,stylish
・野暮 boorish,unsophisticated
・噛む bite
・呑む(音をたててすする)slurp
といったところでしょうか。
またこの本には、
そば通には、洗ったばかりで水がしたたるそばを喜ばない人が多いものです。
運ばれたせいろを五分も十分も置いて、水がきれてから初めて食べるのが、
そば独特の香気と味があるといわれています。中略
最後に猪口に一口残った酒を、サッとそばにふりかけてから、ほぐして食べるんです。
蕎麦を食べるには、酒は燗に限るみたいです。
次回は、蕎麦前でも楽しんで粋にズズーと蕎麦をすすりますか、、、
でも外国でパスタ食べる時には通用しないので要注意ですよね。