F/S と根回し
「日本企業は決断に時間がかかる」
そんな風によく言われます。
「じゃあ海外はどうなのよ?」
と思いますが、やはり国により随分事情が違うんじゃないかな。
欧米は、比較的権限が明確に決まっているので、キーパーソンその人が決断すれば物事が進むケースが多いように思いますね。
だから場合によっては、拍子抜けする位簡単に重要な決定がなされる時がありますね。
日本は、特に高度成長が終了してからは、個人では物事は決められない体質になっている企業が多いと思いますね。
僕なんかでも、何かやりたい時に購入の可否を上司に求めると、
「まずエフエスを作ってよ。それから役員会で審議だな」
・・・
「この規模でもエフエス作らないとまずいんですか?」
とか
「そんな先の事は分からないっす」
とか、
そもそも
「エフエス…ってなんすか?」
って言いたい人もいるかも知れませんね。
いまさら聞けない?「エフエスとは」ですが、
エスエスとは、F/S・Feasibility Studyの事ですね。
ウィキペディアによると
フィジビリティスタディ(feasibility study)とは、プロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討することで、「実行可能性調査」「企業化調査」「投資調査」「採算性調査」とも呼ばれ、「F/S」と略記される。
「だいたいね~、先の事が分かったら苦労はしないんだよ」
とブツブツ言っても、個人で決定しないで集団で決定するには、
背景や将来のシナリオ、それに基づく調査をして、決定権のある皆さんに説明しなきゃなりません。
根回し
でも、まだ必要な事があるんですね。
誰かが、エフエス F/Sを作って説明しても、それだけじゃ聞いてる方は評論家になりやすい。
つまりうまく纏まらず、物事が進まない。
それを打破するのには、事前の「根回し」がとっても大事。
つまり、集団で決定する社会には根回しが必要なんです。
日本は伝統的に、例えば相撲の行司さんの周りに勝負審判の親方たちがいるように、一人に決定権を与えているようで、実はそうではなく集団で物事を決めている社会なんですね。
欧米の人たちとはその点がちょっと違うと思います。
そんな海外の人たちに根回しを説明しましょう。
英文日本小事典 JAPAN Profile of a Nation では根回しについて以下の様に書かれてます。
Nemawashi ( prior consultation )
A technique used in Japan to avoid conflicts and obtain a consensus in decision making. The literal meaning of nemawashi is to dig around the roots of a tree prior to transplanting, thus making the uprooting and movement much easier. But the term is used much more widely in a figurative sense to describe maneuvering behind the scenes to reach a consensus and obtain certain objectives, especially in politics and business.
- prior:前の、事前の
consultation:相談、話し合い、協議
avoid:避ける、回避する
conflict:争い、論争、衝突、対立
obtain:獲得する
consensus:意見の一致、総意、コンセンサス
decision making:意思決定
literal meaning:文字通りの意味
transplanting:移植
figurative:比喩的な
describe:描写する、表現する
maneuvering:駆け引き
objective:目的、目標
「根回しは衝突を避ける技術なのだ」・・・明確な定義ですねぇ
ところで、この文章にあるように、比喩的な根回しの意味は知っていましたが、
元々の意味
「移植する木の根の周りを切っておくことで、移植しやすくする」
事は知りませんでした。英語の前に日本語だな・・・スミマセン。
もう少し調べると
「根を予め切り、切ったところから新しい根を出させる」
ことで移植しても木が枯れない効果があるみたいです。
日本だけでなく、人間は集団の社会に生きていますから、根回しは大切ですね。
根回し上手になりましょう。
それではまた次回!
See you next time!
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