ラヴェルからガーシュウィンへの手紙

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ラヴェルからガーシュウィンへの手紙

先日のNHKラジオ講座「攻略!英語リスニング」のトピックは「George Gershwin」でした。
アメリカの作曲家、ジョージ・ガーシュウィンの生涯と作品にまつわるエピソードが短くまとめられた内容で、音楽好きの僕としてはとても楽しく講座を聴くことができました。

さて、ガーシュウィンの作品でジャズ系のプレイヤーの代表曲を上げるとすると、サマータイム。
これは、「ポギーとベス」からの1曲なんですけど、この「ポギーとベス」と言えばあの大御所マイルスデイビスの名盤「Porgy & Bess」ですかね。

またずばり、ジョージ・ガーシュウィンの作品集といえば、オスカーピーターソンの
オスカー・ピーターソン・プレイズ・ガーシュウィン・ソングブック
なんかいい感じ。

一方、クラシックの演奏でガーシュウィンの作品だったら、ユダヤ系アメリカ人のレナード・バーンスタインの、「ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー」が名盤の誉れ高いアルバム。

・・・
とまあ、音楽系のブログ風になってしまいましたが、実はガーシュウィンの事を書いているのは、「攻略!英語リスニング」の放送の中で、柴原先生が、

ガーシュウィンがクラシックの作曲を学びたいとラヴェルに申し入れたところ、
「君はすでに一流のガーシュウィンなのに、何故二流のラヴェルになろうとするのか?」とラヴェルがガーシュウィンに送った手紙で申し入れを断った。

と話していたのが気になったからなんです。

という訳でちょっと調べてみました。

日本語のウィキペディアでは、

その後独学でオーケストレーションを学び、いくつかの管弦楽作品を残した。そのひとつ『パリのアメリカ人』(An American in Paris、1928年)もよく知られている。因みに、オーケストレーションを学びたいがためにイーゴリ・ストラヴィンスキーの元に訪れたら、クラシック作曲家としては異例の高収入で知られていたことから、逆に「如何すれば其処まで収入を上げられるのかこちらが教えてほしい」と言われたというエピソードが流布している(ストラヴィンスキーは晩年のインタビューでこれを事実無根だと否定しているが、「でも、そういうことがあったら、楽しかっただろうなあ」とも語っている)。また、モーリス・ラヴェルにも教えを請うたが、ラヴェルからは「あなたは既に一流のガーシュウィンなのだから、二流のラヴェルになる必要はないでしょう」と言われたという。さらにラヴェルはナディア・ブーランジェへの紹介状を書いたが、彼女は「ガーシュウィンには生まれながらの音楽的才能があり、その邪魔をしたくない」と弟子とすることを断ったという。

なんて話もあるみたいです。

英語版のWikipediaでは、ガーシュウィンがパリに短期間滞在し、クラシックの作曲法を学びたいとラヴェルに頼んだエピソードが以下の様に書かれています。

They were afraid that rigorous classical study would ruin his jazz-influenced style. Maurice Ravel’s rejection letter to Gershwin told him, “Why become a second-rate Ravel when you’re already a first-rate Gershwin?”

  • rigorous:厳格な、正確な、厳密な
    ruin:荒廃させる、台なしにする
    jazz-influenced:ジャズの影響を受けた
    second-rate:二流の
    first-rate:一流の
  • 彼等(ガーシュウィンが教えを請うたメンター達)は、厳格なクラシックの研究は、ガーシュウィンのジャズの影響を受けたスタイルを台無しにしてしまうかもしれないと心配したのだった。そして、ラヴェルはガーシュウィンの手紙の中でこう伝えている。
    「あなたは既に一流のガーシュウィンなのだから、二流のラヴェルになる必要はないでしょう」と。

“Why become a second-rate Ravel when you’re already a first-rate Gershwin?”
「あなたは既に一流のガーシュウィンなのだから、二流のラヴェルになる必要はないでしょう」と一流のラヴェルに言われるところがいいですよね。

ラヴェルに教えを請うた時点で、多分すでにガーシュウィンは自分の独自のスタイルを確立していたんですね。

さて、今夜はジャズマンのガーシュウィンを聴きながら一杯飲むか、それともクラシックのガーシュウィンにするか、、、
third-rate person の僕としては悩んでしまいますが、、、

そんな時は、
ピアノはジャズプレイヤーの大西順子さん、
オーケストラはサイトウ・キネン・オーケストラ
指揮はあの小澤征爾さんのラプソディー・イン・ブルーをYouTubeでみましょうか?

これは一聴の価値ありですよ。




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